ドロップシッピングとは?ECサイト運営と何が違う?初心者が気を付けるべきポイント解説

ドロップシッピングはサイト上で商品が売れた際にメーカーや卸業者から直接購入者に発送するビジネスモデルです。
通常のEC運営と比べ大きなメリットのあるビジネスモデルです。
もちろんデメリット、気を付けるべきポイントもありますので、それらを踏まえ売り方の一つとして、これからネットで商品を売りたい事業者様、EC運営者様共にお役立て下さい。

ドロップシッピングとは?意味と仕組み

ドロップシッピングとは、ECサイトの運営者が商品の仕入れを行う必要なく、サイト上で商品が売れた際に提携メーカーから直接購入者に商品が届くシステムです。
つまり、ECサイト運営者は販売商品の在庫を保管することなく、商品を販売できます。
そのため、ECサイト運営側は無在庫で運営ができ、ECサイト運営の最大の懸念点である在庫問題を解決できるのです。

ドロップシッピングは通常のECサイト運営と何が違う?

通常のECサイト運営では、販売している商品を自社の倉庫で在庫として保管しておき、商品が売れた際に購入者の元に発送します。
しかし、ドロップシッピングでは販売商品の在庫を保管することなく、売れた商品のメーカーに連絡を行い、メーカーが購入者に商品を発送してくれます。

そのため、従来のECサイトとは、販売商品の仕入れ方式が大きく異なり、リスクを抑えたECサイト運営が可能です。
また、通常のECサイトでは売れた商品の在庫管理・梱包準備・発送に関してもECサイト運営側が行う作業です。
しかし、ドロップシッピングでは販売メーカーが行うため、作業コストも削減できます。
販売した商品の利益は運営側で受け取ることが可能となり、在庫を抱えることなくリスクヘッジできるのは、ドロップシッピングの最大の特徴と言えるでしょう。

ドロップシッピングのメリット・デメリット

ドロップシッピングは、通常のECサイトよりも効率よく売上をあげる販売方式ですが、メリット・デメリットが存在しています。
メリットは以下の5つです。

  1. 在庫の保管・管理が不要
  2. 配送・梱包作業も必要ない
  3. メーカーとうまく連携できれば即日発送も可能
  4. 自社で販売価格を設定できるため、自由度が高い
  5. 場所を選ばず運営可能

デメリットは以下の3つです。

  1. 仕入れを行わないため、利益を出しづらい
  2. 競合が多い
  3. 外部業者とうまく連携が取れない可能性がある

それぞれ詳しく解説していきます。

メリット1:在庫の保管・管理が不要

上記でも解説している通り、ドロップシッピングでは、在庫を用意する必要がないため、在庫の保管・管理が必要ありません。
ECサイト運営を行う上で在庫を保管していると、万が一仕入れた量よりも販売数が少なければ、売れ残った在庫を長期間抱えるリスクがあります。

また、在庫を保管していると、棚卸し際に確認する量が増えるため、余計なコストがかかってしまいます。
そのため、在庫の保管・管理はECサイト運営において最大のデメリットでしたが、ドロップシッピングを活用することで、リスクを回避することが可能です。

メリット2:配送・梱包作業の必要がない

ドロップシッピングでは、在庫の保管・管理が必要ないだけではなく、発送・梱包作業を行う必要もありません。
ECサイト上で販売している商品が売れれば、そのままメーカーに伝えると、料金の請求・商品の梱包・発送まで行ってくれます。
そのため、ECサイト運営側は販売以外に対応を行う必要がないため、作業コストを抑えることが可能です。
作業コストを抑えれば、人件費などのコストも合わせて抑えられる点は非常にメリットと言えるでしょう。

メリット3:メーカーとうまく連携できれば即日発送も可能

ドロップシッピングでは、商品の販売を行うのはECサイト運営側になるため、メーカー側は販売状況を知ることはできません。
そのため、売れたと同時にメーカー側に連絡できれば、すぐに商品の発送を行うことが可能です。
商品を購入した後にユーザーが販売者側に求める部分は、「届くスピード」ですので、発送スピードは顧客満足度に大きく関わってきます。
大手ECサイトでは、自社内で販売・梱包・発送まで行います。しかし、小さい企業の場合スピードを上げて対応することは難しいです。
ドロップシッピングではメーカーとうまく連携できれば、即日商品の発送も可能です。

メリット4:自社で販売価格を設定できるため、自由度が高い

ドロップシッピングとアフィリエイトは、よく混同しがちですが、同じではありません。
アフィリエイトとは、成功報酬型広告のことを指しており、主にブログに販売リンクを貼り、ユーザーが貼ったリンクから商品を購入してもらうと報酬が発生する仕組みです。
アフィリエイトには、クリック型や成約型などが存在しますが、すべてドロップシッピングに当てはまることはありません。
ドロップシッピングでは、商品紹介・宣伝・販売まで自社で行います。
また、アフィリエイトでは、提携先が販売価格設定しており、販売方法にも制限があります。
しかし、ドロップシッピングには、販売価格や販売方法に制限はありません。
販売サイト側に裁量があるため、商品に関する事項を自由に設定できる点もメリットといえるでしょう。

メリット5:場所を選ばず運営可能

従来のECサイト運営では、商品の梱包・発送が必要になるため、在庫を保管できる拠点が必要でした。
しかし、ドロップシッピングは自身で購入された商品を発送する必要がないため、場所を選ばずに運営可能です。
インターネットさえ接続されていれば、サイトの運営が可能になりますので、いつでもどこでもビジネスを継続できます。
また、在庫管理に投資が必要ないため、コストをかけることなく安価にビジネスを開始できます。
そのため、場所を選ばない運営体制と低コストのビジネスは非常に相性がよいといえるでしょう。

デメリット1:仕入れを行わないため、利益を出しづらい

通常のECサイト運営では、商品を一定の数量仕入れるため、通常の売値よりも安価に仕入れることが可能です。
そのため、安定した利益を出すことが可能です。
しかし、ドロップシッピングで商品を販売する上では、商品を仕入れることはないため、仕入れ金額の面で不利な点が挙げられます。
販売金額を自由に設定できるものの、仕入れ金額の面から利益を出しづらいといえるでしょう。

デメリット2:競合が多い

ドロップシッピングをはじめる方法は以下の3つです。

  1. DSPに登録
  2. ドロップシッピング専用サイトに登録
  3. メーカーに直接卸売交渉をする

ドロップシッピングの経験がない運営者であれば、3番は難易度が高いです。
しかし、1.2番に関しては登録しやすく、ドロップシッピングをはじめるECサイト運営者の大半が、DSPや専用サイトを利用しています。
そのため、販売する商品が競合サイトと被ってしまい、サービスが充実しているサイトとドロップシッピングはじめたてのサイトでは、前者の方がユーザーに選ばれる可能性が高いです。
また、同じ商品を販売する競合の数が多ければ多いほど、価格を下げざるを得ないため、結果的に価格競争は避けられない場合も多々あります。

デメリット3:外部業者とうまく連携が取れない可能性がある

ドロップシッピングの運営は、外部業者との連携が非常に重要です。
DSPや専用サイトを利用してドロップシッピングをはじめる場合、外部業者と直接の取引交渉がありません。
そのため、外部業者との信頼関係が構築されておらず、業者側で不具合が起こった場合、うまく連携が取れない可能性があります。
外部業者とうまく連携を取れなければ、購入された商品の発送が遅れてしまい、顧客満足度の低下が予想されます。
ある程度継続して購入されている商品が存在しているのであれば、販売会社への直接連絡も検討してみましょう。

初心者が陥ってしまうドロップシッピングの落とし穴

 

初心者が陥ってしまうドロップシッピングの落とし穴

上記でも解説している通り、ドロップシッピングはメリットが多く、初心者でも比較的はじめやすいです。
しかし、初心者ならではの陥ってしまうドロップシッピングの落とし穴が存在します。
ドロップシッピングの落とし穴は以下の3つです。

  1. 人気商品は品切れになりやすい
  2. 集客方法が限られているため難易度が高い
  3. 無在庫=商品知識が無いため魅力的に見せるのが難しい

1.人気商品は品切れになりやすい

初心者がドロップシッピングを行うのであれば、DSPや専用サイトに登録してはじめることが多いです。
しかし、大手専用サイトに登録してドロップシッピングをはじめる場合、紹介する商品も競合サイトと被ってしまいます。
そのため、売れ行きのよい人気商品は自社サイトだけではなく、競合サイトでも売れ行きがよい可能性があるため、一部人気商品は品切れになる可能性が高いです。
ドロップシッピング初心者は売上の安定しないことが多いため、1つの人気商品に頼ってしまいがちです。
1つの商品に売上を頼ってしまうと、品切れになった際うまく対応できず、サイト運営を続けていけなくなる可能性もあるため注意しましょう。

2.集客方法が限られているため難易度が高い

ドロップシッピングは集客方法が限られているため、運営を継続していく難易度は比較的高いといえるでしょう。
ドロップシッピングもECサイトの1つですので、外部から集客を行わなければ売上をあげることはできません。
集客するためには、検索エンジンやSNSを活用していく必要があります。
しかし、ドロップシッピング初心者の場合ノウハウがないため、うまく取り組むことができない場合もあります。

また、リスティング広告をはじめとする広告集客を実施することでも、集客は可能です。
ただし、広告費がかさんでしまう可能性と、自社仕入れよりも利益率が低いため、費用対効果が悪くなりやすい傾向があります。
そのため、基本的にドロップシッピングをはじめる際は、オウンドメディアやSNSを育てていかなければ、継続して運営していくことは難しいといえるでしょう。

3.無在庫=商品知識が無いため魅力的に見せるのが難しい

ユーザーに対して効果的に商品を販売していくためには、商品を魅力的に伝えていく必要があります。
しかし、ドロップシッピングでは、在庫を保管することなく運営していくため、サイト運営側は商品に対する知識がつきにくいです。
メーカーに直接卸売契約をしているのであれば、自社で仕入れた商品を見たり触ったり、実際に使用してみることを通して商品に対する知識もついていきます。
とくにドロップシッピング初心者の場合、DSPや専用サイトに登録することが多く、手元に商品がないまま販売する方も多いので、商品の知識をつけていくには難しいと言えるでしょう。
また、ユーザーは商品に対する疑問をECサイト運営者に質問します。
しかし、商品自体を見たことがなく、詳細が分からない状態では、サイト運営者は質問にうまく回答できない可能が高いです。
商品に対する素朴な疑問を回答できないようであれば、顧客満足度が低下してしまうため、サイト運営者も商品に対する知識をつけておくことが重要です。

まとめ

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
ドロップシッピングは、ECサイト運営の経験がない方でも低予算で簡単にはじめることが可能です。
しかし、仕入れを行い運営しているわけではないため、販売ノウハウや販売商品に対する知識が少なく、初心者ならではの失敗が起こる可能性もあります。

ただし販売サイト以外のオウンドメディアやSNSを、時間をかけて育ててあげれば、安定した収益を上げていけるでしょう。
これからドロップシッピングをはじめようと検討している方は、本記事で紹介している注意点を踏まえた上で、はじめてみてはいかがでしょうか。

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