ヘッドレスコマースとは?仕組みから実装に適したプラットフォーム、事例まで紹介

ヘッドレスコマースはフロントシステム(お客様接点)とバックエンドシステム(ECサイトの裏側のシステム)を分離させたシステム構成のことを言います。この構成は、さまざまなフロントシステムを顧客とのタッチポイントとして活用できます。ヘッドレスコマースの利用を検討されている方は是非参考にしてみてください。

ヘッドレスコマースとは

ヘッドレスコマースとは、フロントシステムとバックエンドシステムを分離させたコマースシステムです。通常、ECサイトをはじめとするコマースシステムにおいては、ユーザーとの接点となるフロントシステム、ショップ様が利用するバックエンドが、モノリシック(一枚岩)構造となっています。一方、ヘッドレスコマースは特定のフロント部分をもっておらず、さまざまなフロントシステムを顧客とのタッチポイントとして活用できます。

ヘッドレスコマースの仕組み

前述のとおり、ヘッドレスコマースは特定のフロントシステムをもっていません。ECサイトやメディアサイト、アプリなど、あらゆるフロントシステムを連携させられます。
そこで、連携に必要になるのがAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)です。APIを活用すると、もともと別のシステムで管理していた情報を最適化して共有できます。
そのため、それぞれのフロントシステムを異なるCMSやCRMで管理していたとしても、バックエンドのコマースシステムは一元管理できます。

従来型のECシステムとの違い

従来型のECシステムは、フロントシステムとバックエンドシステムが一体となっている様子からモノリシック(一枚岩)構造であるといわれます。
モノリシック構造の場合、フロントとバックエンドを切り離すことはできず、それぞれが互いに依存しあいます。そのため、少々のレイアウト変更や文言の修正だけでも、バックエンドシステムに影響を与えるケースが多い為、変更や修正に時間がかかるだけでなく、対応できない機能や仕組みなども少なくありません。

一方、ヘッドレスコマースでは一つのバックエンドシステムに対して、複数のフロントシステムを設けられます。バックエンドシステムに対して、依存することは無い為、影響を考慮することなく、フロント部分のみを修正することができます。

ヘッドレスコマースのメリット

ヘッドレスコマースにはさまざまなメリットがあり、大きな強みとなります。しかし複雑な仕組みとなっているため、具体的にイメージできていない方も多いのではないでしょうか。
以下では、ヘッドレスコマースのメリットについて解説します。

UI/UXを改善しやすい

UI/UXは、顧客体験を大きく左右する要素の一つです。しかし、モノリシック構造の場合、UIを変更するにはフロント・バックエンドの両面で調整を図らなければいけないほか、そもそも実現できないUIを実装するにはシステムを入れかえなければいけません。
一方、ヘッドレスコマースであれば、あるフロントシステムでは実現できないUIを、別のフロントシステム上で実装する手段があります。また、フロントとバックエンドのシステムが一体化していないため、どちらか一方を調整することも容易です。
フロントシステムの仕様によってUIを調整して、チャネルごとにUXの最適化を図れれば顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

次世代のさまざまなインターフェースに対応しやすい

さまざまなインターフェース(デバイス)、または今後登場するであろう次世代のさまざまなインターフェースに対応しやすくなるという点も、ヘッドレスコマースのメリットです。
最近では、ライブコマースやチャットボット、VRデバイスはECサイトでの活用も増加しています。
例えば、商品レイアウトや雰囲気など、さながら実店舗でのショッピングを体験できたりする『VRコマース』、チャットボットで買い物をされるお客様の不安をチャットで解消しつつ買い物をしてもらう『チャットコマース』などです。
上記だけでなく、お客様接点となるフロント(ヘッド)は、技術の進化、顧客体験向上を目指した発想で今後も続々登場していきます。ヘッドレスコマースは、フロントステムと接続するための豊富なAPIを装備しているため、APIのインターフェースを持つ相手とならどの相手とも繋げることができます。

自社エンジニアはフロント部分の開発に専念できる

ECシステムをスクラッチやオープンソースを利用して自社開発している場合、多くの機能や要件等を考えて保守開発していく必要があるため、UI / UXの改善ばかり考えるわけにはいきません。
また、ECシステムをベンダーに外注している場合は、外注ベンダーの開発リソースに左右されやすく改修の費用や時間がかかるため、自社のスピード感に合わせたUIの改善は難しくなります。
ヘッドレスコマースの場合は、従来のECシステムのような複雑につながっているフロントシステムとバックエンドシステムを分けることができる為、フロントシステムとバックエンドシステムに分けた開発体制が可能になります。そのため、UI / UXを自社で抱えているエンジニアで徹底的に改善する体制を作り、外注ベンダーにはバックエンドシステムの改修に専念させるような体制も可能となります。

ヘッドレスコマースのデメリット

ヘッドレスコマースは、UIの構築や複数チャネルの活用において優れていますが、構築コストやリソース負担の面ではデメリットもあります。いずれも導入時のボトルネックとなりやすいポイントのため、事前にチェックしておくことが大切です。
以下では、ヘッドレスコマースのデメリットについて解説します。

構築にコストと時間がかかる

ヘッドレスコマースのECサイトは、モノリシック構造のECサイトに比べて、構築にコストと時間がかかります。とくにモノリシックのECサイトを再構築して、ヘッドレスコマースに乗り換える際には注意が必要です。
ゼロからヘッドレスコマースを構築する際にコストがかかるのはもちろんですが、既存のプラットフォームやデータを引き継いだ構築は、さらに複雑化するケースが多くなります。そのため、開発を担当するベンダーの選定、新たなプラットフォームの検討なども慎重に行わなければいけません。

高度なスキルが求められる

ヘッドレスコマースで重要なのは、最高のUXを実現するためのフロントシステムの開発です。これには成功の法則がないため、ユーザーと徹底的に向き合った企業のみが得られる独自のノウハウです。そのため、UIを突き詰めて考えることのできるWEBマーケティングに長けたEC担当者が自社にいるかがポイントとなります。
UIを突き詰められる自社の方針や人材、体制を整えられるよう、UI改善に関する講演やセミナーへの参加、優良なパートナーやコンサルタントを見つけることも必要となります。

ヘッドレスコマースを実現できるECプラットフォーム

ヘッドレスコマースは、どんなプラットフォームでも導入できるわけではありません。ECシステムのなかでも、一括管理に耐えうるバックエンドシステムとAPIを備えていることが必須です。
以下では、ヘッドレスコマースを実現できるECシステムについて紹介します。

GMOクラウドEC クラウドECプラン

GMOクラウドEC クラウドECプランは、月商数億から数十億を目指すEC事業者様向けのエンタープライズ向けのコマースプラットフォームです。
このサービスはGMOメイクショップが提供しており、創業当初より提供しているSaaS型サービスのmakeshopの国内12,000店舗のビッグデータとノウハウを取り入れ、ゼロから構築した国産のサービスです。

国産のサービスですので、日本の商習慣に合わせているのはもちろんですが、システムにビジネスモデルを合わせるのではなく、変化するビジネスモデルにシステムを継続的に改善していくことができるのが特徴です。
また、BtoCやBtoBのサイトだけでなく、マルチドメイン・マルチブランドサイトや、ショッピングモール型ECサイト、ふるさと納税サイトの構築も可能です。

GMOクラウドECの詳細はこちら

クラウドECプランの詳細はこちら

まとめ

ヘッドレスコマースについて解説してきました。
ヘッドレスマースは、ECシステムのフロントシステムとバックエンドシステムを分離させる考え方で、あくまでECサイト構築の手段の一つに過ぎません。導入することを目的とするのではなく、ヘッドレスコマースを導入して何を実現したいのかを明確にすることが重要です。

一方で、ヘッドレスコマースの特性を理解してうまく活用することができれば、次世代のさまざまなインターフェースの出現により、ショッピング体験の向上・顧客体験を向上させる可能性があります。
他社の事例などを参考にしたい、ヘッドレスコマースを検討してみたい、ECビジネスの成長にどのようなシステム構成が必要なのか聞いてみたい、と言う方は、お気軽にお問い合わせください。

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