ECサイトの作り方を徹底解説!プログラミング言語やスキルの必要性も解説

今回は、ECサイトを自作する方法を解説いたします。クライアントサイド言語からECサイト作成方法を学べる本まで紹介していきますので、ECサイトを立ち上げたい方必見です。ECサイトは企業ごとに適した構築方法を選ぶことが大切ですので、是非参考にしてみてください。

ECサイトは自作できる?

結論から先にあげておくと、ECサイトは自作することが可能です。1からプログラミングして構築すると時間や費用がかかるため、すでに基礎が開発されているECプラットフォームをベースに、自社にとって必要な機能を足して構築します。
しかし、まったくプログラムができない状態でECサイトを構築するのは困難です。ノーコードで利用できるシステムもありますが、基本的には一定のプログラミングスキルが求められる作業といえるでしょう。

ECサイトを構築する方法

ECサイトを構築する際、ベースとなるプラットフォームには、いくつかの種類があります。それぞれのプラットフォームごとに特徴や費用が異なるため、企業ごとに適した構築方法を選ぶことが大切です。
以下では、ECサイトを構築するプラットフォームについて解説します。

カートASP

カートASPは、比較的小規模なECサイト構築に向いています。ASPとは、アプリケーションサービスプロバイダー(Application Service Provider)の頭文字をとった略語で、インターネットを通じてアプリケーションを提供する事業者のことです。
メリットとして、初期費用が数十万円と安く抑えられるうえ、開発期間も短い点があげられます。また、ほとんどプログラミングスキルがない初心者でも簡単にECサイトを構築できる点も魅力的です。
一方、デメリットとしては、機能やデザインの変更が基本的にできません。既存の機能やデザインのみでまかなう必要があります。そのため、独自のECサイトを作成したい場合には向いていないといえるでしょう。

オープンソース

オープンソースとは、だれもが利用可能な状態で公開されているプログラムのことです。システムは開発者側でアップデートするため、常に最新のバージョンで利用できます。
それぞれに定められた利用条件を守れば、無償公開されているプログラムを自由に利用できます。そのため、初期費用や月額費用が一切かからず、自由にカスタマイズできる点がメリットです。
一方、構築や運用にあたっては高度なプログラミングスキルが求められます。また、コードの内容がすべてのユーザーに対して公開されているため、セキュリティ面が弱くなりやすい傾向があります。そのため、セキュリティ系のプラグイン導入などのセキュリティ対策は必須です。
中小規模のECサイトはもちろん、ある程度規模の大きなECサイトの開発にも活用できます。

ECパッケージ

ECパッケージとは、ECサイトに必要な機能がすべてパッケージ化されているプラットフォームです。ベースの機能はECパッケージが網羅しているため、必要に応じてカスタマイズして構築します。
はじめからカスタマイズすることが前提の商品のため、デザインも豊富に用意されており、オプション機能も追加可能です。そのほかにベンダーのサポートを受けられる点、セキュリティに長けている点も強みです。開発や構築もベンダーが対応してくれるため、運用の面でも基本的には心配ありません。
一方、デメリットは、導入や運用にかかる費用が高い点です。初期費用が500万円から1,000万円程度、運用費が月数万円から数百万円程度かかります。さらに、システムの陳腐化にともなってリニューアルが必須となるため、追加で費用が必要となることは避けられません。

クラウドEC

クラウドECとは、ベンダーが用意したクラウド上で動作するECプラットフォームです。カスタマイズがしやすく、自社でサーバーを用意する必要がありません。また、システムの更新もベンダーが実施するため、セキュリティに不安がないこともメリットです。
デメリットとしては、初期費用が500万円程度、月額利用料金も数十万程度かかります。中規模程度のECサイト構築に向いており、多少のWebプログラミングの知識が必要です。

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、既存のシステムを使わず、イチからECサイトを構築する方法です。すべてイチから作り上げるため、自由度はもっとも高く、デザインや機能も好きなように設計できます。
しかし、プログラミングスキルが求められるうえ、開発に膨大な時間がかかる点がデメリットです。そのため、フルスクラッチでECサイトを構築する場合、専門とする会社へ外注するケースがほとんどです。
外注と内製によって費用が大きく異なるため、一概に費用目安を示すことはできません。大規模なECサイトの構築に向いています。

ECサイト構築に必要なプログラミング言語

ECサイトを構築するプラットフォームにはさまざまな種類がありますが、カートASP以外の方法では基本的なプログラミングスキルが必須です。しかし、具体的には、どのようなプログラミングスキルが必要なのでしょうか。
以下では、ECサイトの構築に用いられるプログラミング言語について紹介します。

クライアントサイド言語

クライアントサイド言語とは、Webサイトを訪れたユーザー側で動作するプログラミング言語です。Webサイト上に文字や画像を表示したり、マウスがメニューに触れた際に新しいメニューを表示したりと、さまざまな挙動をさせられます。クライアントサイド言語は、ほかの言語に比べて難易度が低いのが特徴です。
ECサイトを運営するうえで更新作業を行う際や、ECパッケージ・クラウドECをカスタマイズする際に使用します。以下では、クライアントサイドで使われる言語を3つ説明します。

HTML

Webサイトを表示させるうえで、もっとも基本となる言語です。マークアップ言語とも呼ばれ、見出し・リスト・表などの両端を決められたタグで囲んで定義します。画像やリンクの貼り付けもHTML上で行い、Webサイトの骨格を作るために用いられます。難易度はそれほど高くなく、直観的に利用できるため、習得に対するハードルも低い言語といえるでしょう。

CSS

CSSは、HTMLで作った骨格をデザインするために使われます。文字の大きさを変えたり、色を付けたり、間隔を設定したりすることが可能です。
細かくデザインできるため、CSSを利用すればデザイン性の高いECサイトを構築できます。HTMLと同様、難しいプログラミング言語ではありませんが、概念を理解するまでにすこし時間がかかるかもしれません。

JavaScript

JavaScriptは、Webサイト上に動きを与えるプログラミング言語です。マウスをかざすとメニューが表示されたり、ボタンをクリックすると計算結果が表示されたりといった動作をプログラムできます。
また、JavaScriptはクレジットカードでの決済を安全に行うための暗号化にも使われています。HTML・CSSより難易度は高いものの、決まった使い方だけを覚えるのであれば、さほど難しくはないでしょう。

サーバーサイド言語

サーバーサイド言語とは、Webサイトのデータがあるサーバー上で動作するプログラミング言語のことです。クライアント言語と比べて難易度が高く、オープンソースやフルスクラッチでECサイトを構築する際には、サーバーサイド言語の知識が欠かせません。
また、近年では「Python」と「Django」を使ってECサイトを構築する手法も注目されているようです。
以下では、よく使われるサーバーサイド言語を2つ紹介します。

Java

Javaは、PC上で動くソフトウェアやスマホアプリのほか、Webアプリケーションの開発にも使用されます。Javaの企業向けのWeb開発プラットフォーム「Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)」を使用して開発するのが一般的です。習得の難易度は高いですが、習得できれば多機能なECサイトを開発できます。
また、先に紹介したようにWeb以外のアプリケーション開発にも使えるため、ECサイト以外の場所でも活用できるでしょう。

PHP

PHPは、オープンソースのプログラミング言語であり、Webアプリケーション開発のために作られました。HTMLの中に埋め込んで記述できる点が特徴です。
世界最大規模のCMSとして知られる「WordPress」もPHPでプログラミングされています。Javaに比べるとコンパイルが不要な分、難易度はすこしやさしくなります。

プログラミング言語に関連する知識

さらに高度なプログラミングを行うためには、MySQLやjQueryなどのスキルが必要です。オープンソースやフルスクラッチでECサイトを構築する際に、これらの知識を扱えるとより高度な設計が可能です。
以下では、MySQLとjQueryについて解説します。

MySQL

MySQLは、データベースを管理できるシステムです。ECサイトでは、顧客の名前・住所・電話番号のほか、商品の名称・金額・購入日・在庫数など、さまざまなデータを扱います。
データベースの中にこれらの情報を保存できると、データの取り扱いがラクになります。データベースの仕組みを理解するのに時間を要するため、難易度はすこし高いといえるでしょう。

jQuery

jQueryは、クライアントサイド言語で紹介したJavaScriptのライブラリの一つです。プログラミングで行えることはJavaScriptと同様ですが、JavaScriptより短いコードで記述できるため、可読性が高まります。jQueryで書かれたコードのあるオープンソースをカスタマイズする場合は、jQueryについても理解しておく必要があるでしょう。難易度はやや高めです。

ECサイトの作り方を学べる本

プログラミング言語の概要は理解していても、実際にプログラミングができるようになるためには学習が必要です。スクールに通う方法、オンラインレッスンを受ける方法などがありますが、もっとも安価な方法は書籍で自学する方法です。
以下では、ECサイトの作り方を学ぶうえでおすすめの書籍を3つ紹介します。

1冊ですべて身につくHTML & CSSとWEBデザイン入門講座

海外でWebデザイナーとして活躍後、現在は日本でWebサイト制作のインストラクターとして教育に携わっている著者が執筆した書籍です。Webサイト構築の基本から、HTML・CSSを使った美しいデザインの作り方まで解説しています。ただ読むだけではなく、実際に一つのサイトを作成しながら学べるようになっており、知識が身につきやすい点もポイントです。
ユーザーのデバイスにはスマホやPCなどの端末がありますが、どの端末で見ても表示が崩れないようにするレスポンシブ対応のデザインや、画面を2つにわける2カラム方式をはじめ、さまざまなデザインを解説してあります。そのため、実践的なWebサイト構築方法を学べるでしょう。

PHPによるECサイトプログラミング

実際にネットワーク構築、サーバー保守、PHPによるサイト構築に携わっていた著者が執筆した本です。内容はすこし古い部分もありますが、ソースコードが豊富に記載されているため、さまざまなコードを見てみたい方にはおすすめです。
また、ネットスラングやアスキーアートなどが盛り込まれており、楽しく読み進められる工夫がしてあります。ある程度の前提知識が必要となるため、PHPやMySQLについて学んだあとに読んでみるとよいでしょう。

入門Node.jsプログラミング

サーバーサイドで実行されるJavaScript環境「Node.js」について解説した本です。開発環境を簡単に準備できるため、これからプログラムを学ぶ初心者にもおすすめできます。
フィラデルフィア生まれのソフトウェア技術者が著者となっており、Web開発やアプリケーション構築の経験もある人物です。JavaScriptの基本から始まり、Webサーバー構築まで解説しているため、動作の仕組みをよく理解できます。

まとめ

今回紹介した通り、ECサイトを自作する方法にはさまざまなものがあります。そのなかからどれが最適かを選ぶ基準は、プログラミングスキルや予算、ECサイトの規模によるでしょう。また、どのような方法を選ぶとしても、プログラムの仕組みがわかっていると、どのように動作しているのかを理解できるようになります。

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