ECサイトのオープンソースとは?メリット・デメリットからおすすめの比較まで

今さら聞けないECサイトのオープンソースについて、初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。自社ECサイトの構築方法として主なものはASP・オープンソース・パッケージ・フルスクラッチの4つがありますが、オープンソースにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
また、有名なものではMagento(マジェント)、EC-CUBE(イーシーキューブ)、WordPress(WelCart)などがありますが、それぞれの特徴やおすすめの理由についてもご紹介します。

ECサイト開発方法「オープンソース」とは?

ECサイトの開発方法のひとつに「オープンソース」というものがあります。
ソース、とはソースコードのこと。外部に公開(=オープン)されているソースコードを使ってECサイトを構築する手法です。
多くの場合、オープンソースのプログラムは誰でも無料でサーバーにインストールできます。そのため導入費用の面でいえばかなり低コストでサイトをはじめられるでしょう。カスタマイズの幅が比較的広い点もメリットです。

ただし、インストールしたプログラムをカスタマイズするには、WEB制作のスキルを自社でもっておく必要があります。また、公開されているソースコードを使うことから、セキュリティ面のトラブルに陥る可能性があることも抑えておいたほうがよいでしょう。

ECサイト構築には主に4つの方法があります

そもそもECサイトを構築する主な手法には以下の4種類があります。

  • ASP
  • オープンソース
  • パッケージ
  • フルスクラッチ

それぞれの特徴をかんたんにご紹介していきます。

ASP

ASPとはApplication Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の略。ネット上でECサイトの立ち上げ・運営に必要な機能を使用できます。

4つの構築手法のうち、最も手軽かつ低コストでECサイトを立ち上げられるのがこのASPです。システムの管理はプロバイダー側がおこなうので、セキュリティ対策やアップデートなどの手間もかかりません。
費用感の目安としては10万円程度が一般的ですが、中にはBASEやSTORESの一部プランのように、初期費用・月額使用料0円でサイト運営ができるサービスも存在します。

また、立ち上げにかかる期間も最も短いのがこのASP。わずか数週間程度でネットショップの運営をはじめられます。
ただし、他の手法に比べ、ASPではできることに限りがあります。また、商品が購買されるたびに決済手数料が発生するサービスがありますが、その場合は売れば売るほどコストがかさむことも。
大規模サイト向けのASPもありますが、どちらかといえば小~中規模のサイト向け。スピーディにスモールスタートを切りたいときにはおすすめです。

ASPでEC構築を検討される場合は、ECサイト構築サービスmakeshop(メイクショップ)をご利用ください。
ASPのメリットである低価格は維持しつつ、様々な業種・商材に対応するべく徹底した機能開発を続けているため利便性もご評価いただいております。15日間の無料体験から始められるので費用や準備も要りません。

オープンソース

本記事で詳しくご紹介しているオープンソース。繰り返しになりますが、一般公開されているプログラムをインストールしてECサイトを構築する手法で、初期費用はかなり抑えられます。

オープンソースの場合、以下のような費用が発生します。

  • ドメインの取得費用
  • サーバーの用意費用(自社で独自に用意するケースとレンタルするケースがある)
  • デザインなどカスタマイズを外注する際の費用
  • 決済手数料

ドメインは一般的に年間数千円程度で取得できます。そのほかの費用に関しては場合により金額が異なりますので、自社に適した選択肢はどれか、よくリサーチを重ねることをおすすめします。

また、自社でカスタマイズや保守管理などを行っていくことになりますので、WEB制作の知識・スキルが用意できるかどうかも大事なポイントです。

パッケージ

ECサイトの運営に必要なシステム・機能を備えたショッピングカートシステムのことを、ECパッケージと呼びます。基本機能となる商品や在庫の管理から、外部システムとの連携、CMS機能など、ECサイトを構築するうえで必要なさまざまな機能がセットされており、必要に応じてカスタマイズを加えていきます。

オープンソースと比べた際の違いは、プログラムをフリーでダウンロードするか、プロバイダーと契約して購入するかという点。ECパッケージを購入する際、費用は最低でも500万円程度見積もっておいたほうがよいです。4種類の中で、フルスクラッチに次いで導入コストの高い構築手法となります。
また、システムのアップデートを数年に1度おこなう必要があり、ランニングコストも安くはありません。

ただし、カスタマイズやサポートなどを販売会社に任せることができるため、制作力や知識に絶対の自信がなくともサイトを立ち上げることができます。

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フルスクラッチ

フルスクラッチはまっさらな状態から自社でECサイトを立ち上げる手法です。完全オリジナルで作るので、機能もデザインもカスタマイズは自由自在。ただし、そのぶん多くの費用と手間がかかります。
予算感でいえば、数億円程度。導入期間も年単位でかかりますので、リソースを潤沢に用意できる環境でなければ選択は難しいでしょう。

他にコスパのよいサービスが多いこともあり、フルスクラッチでサイトを立ち上げる事例は年々少なくなっています。ですが、全システムを社内で管理できるため高速PDCAを回せる、独自の機能やサービスを導入できるなどのメリットがあることも確か。
有名企業だと、ユニクロのオンラインストアやZOZOTOWNなどはこのフルスクラッチで制作されています。

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オープンソースでECサイト構築をする際に知っておくべき注意点

オープンソースでECサイトを構築する際ならではの注意すべき点がいくつかあります。もしこの手法を検討するのであれば、あらかじめ以下の点は踏まえ、それぞれに対処できるかどうかも考慮しておきましょう。

セキュリティやシステムなどの安全性

オープンソースのECサイトを運営していく場合、安全面に気をつける必要があります。一般公開されているプログラムを使用するため、セキュリティの穴をつかれやすいのです。正しく対策をおこなうよう注意しましょう。

JavaやPHPなどの専門知識が必要になる

オープンソースのプログラムには、そのままでもECサイトの運営をはじめる機能が揃っています。
ですが、だからといって何も手を加えずにサイトをオープンさせるのはおすすめできません。

なぜなら、同じプログラムをインストールした他サイトと差別化ができなくなってしまうため。サイトのオリジナリティを出すためにはデザインや機能面でカスタマイズを加える必要があります。

とくに機能面に関しては、自社サイトを訪問する客層にあわせてユーザビリティを高めなくてはいけません。そのためには、JavaやPHPの専門知識をもつ人材が社内にいたほうがよいでしょう。

トラブルが起こった際にサポートを受けることができない

オープンソースのプログラムは、プロバイダーと契約した上で使用するものではありません。となると、困るのが何かシステム上のトラブルが発生した場合。
サポートを受けることができないため、基本的に自力で解決することが前提となってしまいます。
ただし、オープンソースの場合完全にインハウスですべてを解決しなくてはならないかというと、そうとも限りません。
人気の高いプロバイダーから公開されているソースコードを使用している場合、同じくそのプログラムを使用している人同士の意見交換のコミュニティが存在するなど、ネット上で解決法を調べられる可能性があります。

ECサイト構築におすすめのオープンソース比較3選

実際にオープンソースのサービスにはどのようなものがあるでしょうか?以下に、おすすめのオープンソースを3つご紹介していきます。

EC-CUBE(イーシーキューブ)

国産オープンソースとして最大手なのがec-cube。完全日本製である、という点で人気の高いサービスです。充実した基本機能に加え、追加でダウンロードできるプラグインが800種類以上用意されており、満足できるサイト構築ができます。
事例が多く、その数全国に35,000ショップ以上。ノウハウをもった制作会社も数多あるため外注先を見つけやすいです。
さらに特徴的なのが、国内最大級のネットワーク。ec-cubeを導入しているほかの事業者や専門家たちとつながれるコミュニティがあるので、広く情報収集も可能です。

Magento(マジェント)

世界トップクラスのシェアを誇るアメリカ発のオープンソース、Magento。世界中で使用されているサービスであることから、近年トレンドとなりつつある越境ECに強いという特徴を持ちます。
Magentoには日本版の公式サイトがありません。そのため、導入する際には、サービス内容を理解できるだけの英語力が求められます。ただし、国内ユーザー向けにサイト構築を代行する業者も複数存在します。

WordPress(WelCart)

無料でサイトやブログの作成ができるソフト「WordPress」。そのWordPressの専用カートシステムがWelCartです。このプラグインを追加すればWordPressでECサイトを構築できます。
すでにWordPressでサイトやブログを運営している場合、既存のアクセス数をそのままECサイトへもっていくことができるので、集客面の即効性が大きなメリットです。
WordPressは国内で人気のソフトですので、使い方に関する情報もネットで広く集められます。

オープンソースでECサイトを構築するメリット

オープンソースでECサイトを構築するメリットとしては、以下があげられます。

無料で使える

サイト制作に関するノウハウをもっていれば、無料でダウンロードできるオープンソースのサービスはとても魅力的です。初期費用をかけたくない場合、候補として上位にあがってくるでしょう。

カスタマイズの自由度が高い

同じく初期費用のかからないASPに比べ、オープンソースのほうがサイトのオリジナリティを出しやすいというメリットをもっています。ASPは用意されたデザインや機能を使ってサイトを作っていくため、より他社との差別化を図りたい場合はオープンソースがおすすめです。

拡張機能が豊富

オープンソースのサービスでは、ASPやパッケージに比べて追加で使える拡張機能が豊富に揃っています。そのため次々に変化するトレンドや新たに発生したユーザーニーズへの柔軟な対応が可能です。

オープンソースでECサイトを構築するデメリット

オープンソースでECサイトを構築するデメリットとしては、以下があげられます。

高いスキル・豊富な知識が必要

WEB制作に関するノウハウをもっていない場合、オープンソースの導入は難しいでしょう。
まず立ち上げの際のカスタマイズには、見た目の部分ではhtmlやCSS、機能面ではJavaやPHPを使いこなすスキルが求められます。
サイトを運営していく上でも、アップデートやトラブル対応など、すべて自社でまかなっていかなくてはいけません。そうした業務を任せられる人材がいるかどうかはオープンソースでのサイト構築の大きなポイントとなります。

正しいセキュリティ対策が必要

公開されたソースコードを使用しているということは、セキュリティホールも他者から知られてしまうという危険をはらんでいます。ECサイトではユーザー情報などを取り扱うので、セキュリティにはとくに気をつかわなくてはいけません。
安全にサイト運営をしていくためには、正しくセキュリティ対策をおこなえる知識が必要です。

運営負担が大きい

サイトのシステム管理をすべてインハウスでおこなうため、運営上の手間や負担が大きくなります。
業務を代行してくれる業者も存在しますが、当然外注コストがかかります。
社内で十分なリソースを確保できればよいですが、優秀な人材にはそのぶん高い人件費も必要です。こうした点も踏まえて検討をすべきでしょう。

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まとめ

ECサイトの構築手法のひとつ、オープンソースについてご紹介しました。
オープンソースは手軽に導入できる手法ではありますが、使いこなすにはサイトに関するある程度の知識と経験値が求められます。導入コストの安さはメリットでありますが、長い目でみると、費用をかけてもより安全性の高い選択肢をとったほうがよい場合もあるでしょう。

国内にECサイトが登場して以降、その市場は年々拡大傾向にあります。
とくに2020年の新型コロナウイルス流行はその需要を一気に押し進めました。また、世界基準でみても日本のEC化率には伸び代があり、今後ますます多様化する消費者ニーズに応えるために、ECサイトの運用は効果的であるといえます。
自社でECサイトの立ち上げをする際は、今回ご紹介したように各種手法を比較し、主なメリット・デメリット、主要サービスの内容を踏まえて最適なものを選んでください。

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