ECサイトの商品撮影はどうする?撮影のポイントや代行サービスの相場を紹介

実店舗での商品購入と比較すると、ECサイトでは商品の実物を見ずに購入となるため、商品詳細ページの情報量が重要となります。中でも判断基準となるのは、サイト上に掲載されている商品写真となるため、商品撮影は非常に重要なポイントとなります。

ECサイトにおける撮影の重要性

ECサイトでは、基本的にユーザーは商品の実物を見ずに購入を決めます。そこで判断基準となるのは、サイト上に掲載されている商品写真です。つまり、商品が売れるかどうかは写真次第といっても過言ではありません。
しかし、実際の商品よりも魅力的に見えるような写真を掲載するのは不適切です。ECサイト上の写真と、実際の商品のイメージに乖離があると、クレームや否定的な口コミにつながります。
実際の商品のイメージがわかりやすく、かつ商品の魅力を余すことなく伝えられる写真を掲載すべきです。

ECサイトに掲載する写真の種類

ECサイトに掲載する写真は、大きく3つに分けられます。いずれも現場ではよく使われる言葉のため、カメラマンにイメージを伝えるうえで、それぞれの写真の違いはおさえておくとよいでしょう。
以下では、ECサイトに掲載する写真の種類と特徴について解説します。

単品撮影(物撮り)

単品撮影は、商品そのものを単独で撮影する写真です。ECサイトの商品画像としてもっとも一般的な撮影方法で、商品のディテールを伝えるのに適しています。
同一商品でも色やデザインの違いによって複数のパターンがある場合、SKUごとに単品撮影を実施するのがおすすめです。

イメージ撮影

イメージ撮影は、商品やブランドのイメージを反映した写真です。商品が用いられるケースが多いものの、商品の内容を伝えるのではなく、コンセプトを伝えることを目的としています。 ECサイトのトップに掲載するイメージ画像、広告用のバナーや画像素材にも活用できます。

モデル撮影

モデル撮影は、商品の利用シーンを撮影する写真です。アパレルやインテリアなどの商材ではモデル写真があると、商品のイメージが格段に伝わりやすくなります。
また、複数の商品を組み合わせて利用しているシーンを撮影すると、クロスセルの促進にもなります。

撮影の方法は2種類

ECサイトに掲載する写真を撮影する方法は、主に2種類です。自分で機材やスタジオを用意する方法、撮影代行サービスを利用する方法です。
以下では、それぞれの方法についてメリット・デメリットを解説します。

自分で機材やスタジオを用意して撮影する

自分で撮影する場合、コストを抑えて撮影できる点がメリットです。近年ではスマートフォンでも十分きれいに写るうえ、簡易的な照明や撮影スペースがあれば、自宅や事務所でも撮影できます。
本格的なECサイトを制作する際にはあまりおすすめできませんが、まずはスモールスタートで販売を始めてみたい方には適している方法です。
また、自宅や事務所で撮影ができない場合は、撮影スタジオやレンタルスペースなどを借りる方法もあります。背景や雰囲気がおしゃれな空間で撮影したい方は、検討してみるとよいでしょう。

撮影代行サービスを利用する

撮影代行を利用する場合、本格的な写真が撮影できる点がメリットです。プロに依頼するには一定の費用がかかりますが、ライティングや背景などをこだわって撮影できます。
ECサイトの商品撮影に慣れているカメラマンであれば、商品がきれいに見える角度や光度を理解しているため、同じ商品を撮影してもより魅力的な写真が完成するはずです。

自分で撮影する際の注意点

前述のとおり、自分で撮影するとコストを抑えられますが、プロが撮影した写真に比べて粗が目立ちやすくなります。しかし、いくつかのポイントを意識すると、素人が撮影したとは思えないような写真も撮影可能です。
以下では、自分で撮影する際の注意点について解説します。

商品の使用イメージを再現する

商品単体を撮影した写真は、ディテールやデザインを確認するには適していますが、具体的な使用イメージを把握しにくい点がデメリットです。
実際に使用している様子、コーディネートなどのモデル撮影を活用して、どんなシチュエーションで使えるかをイメージさせることが大切です。商品ページを訪れたユーザーに具体的なイメージを想像させられると、コンバージョン率の向上につながるでしょう。

明るさや背景色にこだわる

被写体となる商品やモデルはもちろん、明るさや背景色も重要な要素です。
十分な採光がとれていないと写りが悪くなるだけでなく、実際の色味も伝わりにくくなってしまいます。なお、ライティングの際には影にも注意すべきです。照明をあてる角度によって目立つ場所に影ができてしまうおそれもあります。
また、商品のイメージに合う背景色を選ぶことも大切です。色の相性を考えたり、柄のある商品にはシンプルな背景を合わせたりと、全体のバランスを整えるよう心がけましょう。

さまざまな角度から撮影する

商品画像はできるだけ多くの角度から撮影することもポイントです。ECサイトの特徴としてユーザーが実際の商品を見られないため、あらゆる角度から撮影した写真を掲載してディテールのイメージを伝えなければいけません。
ディテールのイメージが伝わらないまま、商品を購入されてしまうと、ユーザーの想像と実際の商品に乖離があり、クレームにつながるおそれもあります。また、光のあたり方や加減によって色味の見え方が異なる場合、さまざまな角度から商品画像を撮影しておくと、色のイメージも伝わりやすくなります。

三脚やジンバルで手ブレを防ぐ

手ブレしている写真は、不鮮明に写るだけでなく、ECサイトやブランドのイメージを悪くしかねません。商品画像までこだわっているブランドであるとアピールするうえでも三脚の利用は効果的です。
また、最近では商品画像のほかに、商品動画を撮影するケースも増えています。動画コマースとも呼ばれており、写真よりも情報量の多い動画を用いて、ユーザーの購入を後押しする施策です。
なお、動画を撮影する際はジンバルを活用するのも効果的です。ジンバルとは、カメラを平行に固定できるハンドルのようなもので、カメラが傾いたとしても自動で調整できます。

撮影代行サービスを利用する際の注意点

撮影代行サービスを利用すると、クオリティの高い写真を撮影できますが、事前にカメラマンに対して商品のイメージや魅力を伝える必要があります。カメラマンは商品の魅力を伝えるプロですが、商品のどんな面を押し出すべきかを理解していなければ、ユーザーにも魅力は伝わりません。
以下では、撮影代行サービスを利用する際の注意点について解説します。

撮影する商品について説明する

撮影する商品についての説明は必須です。プロのカメラマンは、被写体によって機材、照明、手法を細かく変えています。そのため、サイズや素材感、光の反射などを事前に伝えておくと、カメラマンも商材ごとに適した準備ができるようになります。
口頭や文面では伝えるのが難しい場合、スマートフォンで簡易的に撮影した写真を送るのもおすすめの方法です。

商品点数(SKU)とカット枚数を伝える

撮影点数とカット枚数も事前に共有しておくべき内容です。撮影点数とカット枚数によって撮影にかかる時間、編集にかかる工数や納期が決まります。これらの情報がなければ、正確な見積もりも出せなくなってしまうため、とくに注意すべきポイントです。
なお、撮影点数はSKUベースで伝えるようにしましょう。同じ商品でも色やデザインが違うものはそれぞれ撮影すべきです。そのため、同一商品に複数のSKUがある場合はSKUベースの点数を伝えておくのがおすすめです。

参考になるラフや画像を提出する

プロに商品の撮影を依頼していても、完成した写真がイメージと違うケースは多々あります。事前にカメラマンの撮影事例を見ておくことも重要ですが、どんなイメージの写真を撮影したいかを伝えておくと安心です。
雑誌やSNS、競合サイトなどからイメージと近い写真を探しておき、カメラマンに見てもらいましょう。

撮影代行サービスの料金・費用相場

ECサイトの商品撮影は、具体的にどのくらいのコストがかかるのかがわかりにくいサービスでもあります。内訳は人件費や技術料、機材費やスタジオレンタル費などですが、はじめて利用する方にとっては相場感が把握しにくいのも事実です。
以下では、撮影代行サービスの料金・費用相場について解説します。

郵送撮影

郵送撮影とは、商品のみを郵送して撮影してもらうサービスです。もっともリーズナブルな撮影方法となっており、1商品あたり1,000円から5,000円ほどで撮影してもらえます。
ただし、カメラマンと直接コミュニケーションがとれない点はデメリットです。実際に撮影現場に同行してイメージを伝えることができないため、事前のすりあわせができていないとイメージと異なる写真になってしまうおそれもあります。

スタジオ撮影

スタジオ撮影とは、撮影用のレンタルスタジオを借りて撮影してもらうサービスです。
時間料金の場合は1時間あたり8,000円から20,000円ほど、点数料金の場合は1商品あたり2,000円から10,000円ほどが相場です。モデルや小物の追加、撮影時の立ち合いなどを希望する場合は、別途費用が発生するケースもあります。

出張撮影

出張撮影とは、クライアントの希望する現場で撮影してもらうサービスです。
1時間あたり10,000円から30,000円ほどが費用相場です。そのほかに交通費や機材費がかかることもあり、もっとも高額になりやすい撮影方法といえます。
しかし、クライアント側が撮影場所を自由に選べるため、店舗や屋外での撮影もでき、商品のイメージに合った場所で撮影できる点は大きなメリットです。

まとめ

ECサイトにおいて写真のクオリティや枚数は、売上を左右する要素です。どんなに魅力的な商品を販売していても、写真から商品の魅力が伝わらなかったり、ディテールを写した写真がなかったりすると、ユーザーは購入に至りません。
自分で撮影する場合も、撮影代行サービスを利用する場合も、しっかりとしたイメージをもったうえで商品の魅力を伝えられる写真を選ぶことが大切です。

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