【2020最新】コロナ禍のファッションECサイト現状は?市場規模や売上高ランキングまで

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アパレル・ファッションECサイト市場規模の現状は?

ファッションECサイトはコロナ禍でどのような変化をしていくのでしょうか。
当記事ではアパレル・ファッション業界のEC市場規模の推移から、アダストリアやベイクルーズなど大手のEC事業、最新の売上ランキング、まで解説していきます。
ファッション業界でECサイトに携わる方は是非参考にしてください。

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目次

アパレル・ファッションECサイト市場規模の現状は?

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、日本のみならず世界中の経済が大きく揺らぐほどの打撃を受けました。各分野において、一気に潮流が変化した傾向があります。
そんな中、アパレル・ファッションECサイト市場は現在どのように動いているのでしょうか。
まずはここ数年の市場動向を見てみましょう。ファッション・アパレル市場全体としては、90年代以降以前に比べ縮小傾向にあります。
理由は経済の低迷、そしてそれによる低価格帯ブランドの台頭です。
消費者の多くが、ハイブランドよりも安くて手軽なファストファッションを好むように変化してきました。

国内衣料品市場の推移

引用元:参考資料 p5
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/pdf/report01_03_00.pdf

2010年代に入ると下降は一度ストップ。かといって上昇するわけではなく、横ばいの成長を続けています。
しかし、その中で規模をじわじわと拡大させてきたのがEC市場です。

2019年のファッション・アパレルECの市場規模は1兆9,100億円。前年比では107.7%、5年前に比べると約150%成長しています。
市場全体に占めるECの割合は13.87%。全産業における平均EC化率が6.76%ですから、ファッション・アパレル市場はECが活発な業界といえるでしょう。

コロナ禍における市場規模の影響は?

コロナ禍における市場規模の影響は?

それでは、コロナ禍でこのファッション・アパレル市場、その中のEC市場はどのような影響を受けたのでしょうか。
結論からいうと、実店舗の売上が大きく打撃を受けた一方で、EC市場は拡大傾向となりました。

まず実店舗ですが、これは感染症の蔓延を受け、全国に緊急事態宣言が発令された影響が強くあります。これにより生活必需品を扱う業態以外の多くの商業施設・店舗が休業・時短営業を余儀なくされ、 消費者も感染防止のために外出を自粛する日々が続き、経済が大きく冷え込むことに。
ファッション・アパレル分野に限らず、全体として実店舗にとって厳しいシチュエーションとなったのです。

数字としては、主要な駅ビルやファッションビルの売上は30〜48%ほど減少。
大手に限っても、アパレルブランドは40〜54%、アパレルチェーンは20〜40%、それぞれ売上を落としています。
残念なことに、店舗の一斉閉店や、外資アパレルの日本撤退のニュースも少なくありませんでした。
かたや、好調となったのがECです。

「グローバルワーク」や「ローリーズファーム」などの人気ブランドを展開するアダストリアは、2020年の第1四半期におけるEC売上高が134億円(前年比125.7%)であったと発表しました。
アダストリア単体としての売上高は284億4,400万円で、前年同期に比べ56.5%減と落ち込んでしまいましたが、その中でのEC事業の大幅増収は光明といえるでしょう。
この成長の裏には、アダストリアの「接客」重視のEC戦略がありました。

アダストリアの公式オンラインストア「.st(ドットエスティ)」には、2018年から「STAFF BOARD」というコンテンツが存在しています。これは店舗スタッフがスタイリング写真を投稿するもの。
コロナ期間、このページの参加スタッフを1.5倍増加させ、投稿の強化に注力しました。
実際に店で試着などができない状況下で少しでも商品の使用感がわかりやすくなるようにとの狙いでしたが、これが功を奏すことに。コンテンツ経由の売上が大幅にアップしたとのことです。

STAFF BOARD

URL:https://sb.dot-st.com/staff-board/style/

この施策の実現のため、アダストリアは自宅待機中のスタッフの元へ商品を倉庫から配送。スタッフの投稿環境をサポートしました。期間中はモデルを使用した撮影を自粛していたため、 スタッフの投稿写真をそのままサイトの商品詳細ページにも掲載するなど活用の幅も広がったようです。

そのほか、ショップやスタッフのInstagramアカウントによるLIVE配信も人気に。商品の紹介や着回しの提案、質問へのリアルタイムでの回答などオンラインでの接客を実現させ、店舗休業中でも顧客との活発なコミュニケーションに成功しました。
アダストリアは今後もこの取り組みを続けると発表しており、アーカイブされた投稿動画からECサイトで商品を購入できる「.st CHANNEL」をスタートさせています。

.st CHANNEL

URL:https://sb.dot-st.com/staff-board/style/

もうひとつオンライン接客の工夫として、アダストリアは商品へのレビュー投稿に対して付与するポイントを、従来の10ポイントから30ポイントへアップ。
レビューを活性化させることで、商品ページを見た人の購入を促しました。

MakeShop(メイクショップ)のデータ

MakeShopでECサイトを構築しているショップ様のうち、ファッションカテゴリのショップ様について見ると、2020年4月〜6月の流通額は合計で昨対比178%となりました。
市場の動きに加えて、ファッション・アパレル業界に適したMakeShop固有のデザイン・機能面も影響していると考えられます。

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コロナ禍によって消費者の購買行動に変化は?

コロナ禍によって消費者の購買行動に変化は?

市場の現状を把握するには、その中にある顧客の購買行動を読み解く必要があります。コロナウイルスの感染拡大は、ECでの買い物に対する消費者心理にどのような影響を与えたのでしょうか。

ある調査では、今後アパレルの実店舗を利用する機会はどのように変化するか、との質問に対し「減ると思う」と答えた人の割合が約4割にのぼりました。
そしてそのうちの57%の人が、実店舗の代わりにネットショッピングを利用するだろうと回答しています。

今後アパレルの実店舗を利用する機会はどのように変化するかについてのアンケート

この数字は、もしかしたら期待したほど高い割合ではないかもしれません。
忘れてはいけないのは、コロナウイルス蔓延により世界中が一気に不況に陥った、という点。
当然、消費者の財布の紐はリアル・ネット問わず固くなる傾向が予想されるでしょう。
また、コロナ以前からある消費者心理のトレンドのひとつにサステナブル志向があります。アパレル業界は過去十数年、ファストファッションの流行により大量生産・大量廃棄を繰り返してきました。
持続可能な社会実現のためにこれをやめ、いいものを長く着たいと思うユーザー層が徐々に増えてきています。
つまり、アフターコロナでは単純に店舗の売上がECに移るだろうと考えるより、実店舗でもネットショップでも通用する売り方の戦略設計が必要となるでしょう。

ひとつの指標として、先に挙げたアダストリアの例のようにオンラインでの接客強化があります。
これまで頻繁に実店舗で新作をチェックしたり服を購入していたファッションに対して意欲的な層が、トップスやワンピース、スカート・パンツなどのボトムス類やジャケットなど、従来サイズ感をきちんと店舗で確かめていた商品をECでも買うようになっています。
今後もこの流れが続くのであれば、ショップ・ブランド側にはオンライン上でも、サイズ感や使用感をわかりやすくする工夫が求められるといえるでしょう。

ちなみに、コロナ禍の中ではECサイトで売れ筋となるトレンド商品にも変化が見えました。自宅で過ごす機会が増えたため、緊急事態宣言以降はリラックスウェアやルームウェアが人気に。
また、外出が減り運動不足を気にした層からジャージやフィットネスウェアへの需要が高まっています。

ファッション・アパレル業界のEC化率

ファッション・アパレル業界のEC化率

前述の通り、ファッション・アパレル業界は他産業と比べEC化の進んでいる分野です。 これまでの数年間においてアパレル業界のEC事業が伸長してきた要因としては、以下の3点が考えられます。

  • アパレルのEC販売を効率化するツール・ソリューションの登場と、それに応じてEC運営をするブランドの増加
  • 各社が業務の効率化を進めた結果、マーチャンダイジングサイクルが短くなり、販売機会が増えたことにより売上がアップ
  • 実店舗とECでの在庫や顧客データの連携強化

また、アパレルEC市場の特徴として、スマートフォン経由のユーザー割合が過半数を占めている点があります。若年のファッションに強い関心を抱く層が積極的にECを利用している現状です。

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ファッションECで成功している各社の売上高ランキング

順位 企業 売上高
1位 UNIQLO(ユニクロ) 832億円
2位 アダストリア 405億円
3位 ベイクルーズ 395億円
4位 TSIホールディングス 341億円
5位 WORLD(ワールド) 329億円

それではここから、EC事業に成功しているファッション・アパレル業界の各社をご紹介していきます。各社売上高のデータは通販新聞社が行った売上高のランキングデータを参照しています。

引用元:ファッション通販売上高ランキング 100億円以上の通販会社8社に、有店舗アパレルの存在感高まる、モールはゾゾが話題独占

1位:UNIQLO(ユニクロ)

UNIQLO(ユニクロ)

URL:https://www.uniqlo.com/jp/ja/

ファストファッションの王者、UNIQLO。2019年度の国内EC売上高は832億円、2年連続で国内1位となりました。
UNIQLOはオムニチャネル成功例の代表格としても知られています。その躍進を支えたのがスマホアプリの最適化。会員証として使用できるアプリは、開くとTOP画面からすぐにECサイトを閲覧できる仕様になっているほか、商品バーコードのスキャンでサイズ・カラー・在庫の検索ができる機能も。オンライン・オフラインともに買い物の利便性を高めています。
また、オンラインストアにはユーザーにとってうれしい「MySize ASSIST」という機能が。自分にあうサイズの商品を探すアシストをしてくれるのです。試着ができないというECの弱点も解消され、ユーザビリティの向上に貢献しています。

2位:アダストリア

2位:アダストリア

URL:https://www.dot-st.com/

コロナ禍の取り組みが成功した事例として挙げたアダストリアは、前年比16%増加405億円の売上高で2位にランクインしました。同社の「.st」がユーザビリティを重視したオンライン接客に注力していることはすでにご紹介のとおり。
多数ブランドを展開するサイトとして、各ブランドの商品ページはそれぞれのイメージに沿った仕様となっています。
アダストリアもまた、オムニチャネル化を推進してきた企業です。ECで購入した商品の店舗引き取りや試着の予約がオンライン上でできるなど、実店舗とECの連携を強化しています。

3位:ベイクルーズ

3位:ベイクルーズ

URL:https://baycrews.jp/

3位につけたのはIENA、JOURNAL STANDARD、Spick and Spanなどを展開するベイクルーズのオンラインストア。売上高は前年比118%の395億円でした。
オンラインストア「BAYCREW’S STORE」はコーディネート例がわかるスタッフのスナップ投稿のほか、コンテンツが充実。
骨格×パーソナルカラー診断やおすすめアイテムの紹介つきの星座占いなど、ショッピングを楽しくするコンテンツが揃っています。

4位:TSIホールディングス

4位:TSIホールディングス

URL:https://www.tsi-holdings.com/

ナノ・ユニバース、ビーバー、ジル・スチュアート、マーガレットハウエル。テイストもターゲットもさまざまなブランドを多数展開しているTSIホールディングスは、2019年2月期の売上高が前期比18%増の341億円で第4位です。

5位:WORLD(ワールド)

5位:WORLD(ワールド)

URL:https://store.world.co.jp/

5位はワールドオンラインストア。売上高は329億円でした。

ファッションECが抱える課題と取り組み事例

コロナ禍が思わぬ追い風となり各社EC事業が成長傾向にあるファッション・アパレル業界ですが、実は課題点も抱えています。

アパレル市場全体の縮小

アパレル市場全体の縮小

ファッション・アパレル業界全体に勢いがみられないのはすでにご承知のとおり。
とくに若年層をターゲットとしているブランドにとって深刻な問題が進む少子高齢化です。商品のターゲット人口が減少傾向にあるため、国内市場では厳しい戦いを強いられることに。
対策として、海外市場に活路を見出すという手があります。訪日外国人のインバウンド需要の取り込みや、越境ECにチャンレンジするのです。

コロナ蔓延の影響で当面訪日外国人数の盛り返しは望めそうにありませんが、越境EC市場はここ数年徐々に発展してきています。現状、主要な取引相手国としては中国、アメリカの2か国。
挑戦する際はまず市場の大きな国の集客に強いモールへ出店し、知名度をあげていくのが得策でしょう。

ショールーミングによる実店舗の低迷

ショールーミングによる実店舗の低迷

EC事業が台頭しはじめた頃から小売事業者の中でも問題点となっているのが、実店舗のショールーミング化。
実店舗で商品を見るだけ見たあと、ECで購入されてしまうというもの。
マルチチャネル化・クロスチャネル化で販売窓口を複数持っている企業・ブランドは、ともするとオンラインとオフラインでの食い合いになってしまいます。また、実店舗スタッフの士気の低下につながりかねません。
そんな中、BEAMSが取り組んでいるのがスタッフのオムニチャネル化です。実店舗のスタッフが商品を紹介するコーディネート写真や動画コンテンツを投稿。この効果は大きなもので、コンテンツ経由の購入率が2.4倍にもアップしています。

クロスチャネルやマルチチャネルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回はファッション・アパレル業界のEC市場について詳しく解説をしました。
全体として縮小傾向にある本業界。とくに今年、コロナウイルスはファッション・アパレルに限らずさまざまな市場に大きな打撃を与えました。ですが、その中においても成長を見せた企業は一貫して顧客ファーストの思考を保ち続けています。
ECサイトは顔の見えないチャネルですが、ここ数年ではその不便さを解消するソリューションも次々と登場しています。ユーザーにとって買い物しやすい環境づくりは着実に売上へとつながるでしょう。今後の各社の戦略に期待します。

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