FAX・記憶頼りの業務から脱却。BtoCサイトを活かした、BtoB販売への転用で、事業成長の足かせ『事務コスト』をほぼ”ゼロ”に。
2026.3.23
導入企業
会社名:株式会社マツ勘 ショップ名:お箸の専門店 箸蔵まつかん URL:https://www.hashikura1922.com/ 事業内容:箸の企画・販売
導入前の課題
FAXやメールなど、取引先ごとに発注フォーマットがバラバラで管理が煩雑。 「この会社はこの梱包」といったルールが担当者の記憶に依存し、属人化していた。 ピッキングリストの手書き作成や月末の請求業務に、事務員が忙殺されていた。
導入後の成果・効果
1件あたり30分以上かかっていた受注事務作業が、「発送作業のみ」に短縮。 BtoC ECの運営基盤を活用することで、EC担当者がBtoB受注も兼務可能に。 新規取引先の50%以上がWEB注文を選択し、ECサイトが営業の武器になった。
使用機能
BtoBオプション
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ショップ紹介
お箸の専門店 箸蔵まつかん
福井県小浜市で創業し、100年以上の歴史を持つ「箸」の企画販売を手掛ける株式会社マツ勘。
伝統的な若狭塗のルーツを大切にしながら、現代の食卓に新しい風を吹き込むライフスタイルブランドとして注目を集めています。
同社はmakeshopを利用したBtoCサイトで成功を収める一方、法人取引(BtoB)の現場では、FAXや「担当者の記憶」に頼るアナログな受注業務の負担が「事業成長の足かせ」となっていました。
「美しいブランドの世界観を、BtoBの現場にも実装したい」
既存のBtoCサイトの資産を活かす発想でBtoBオプションを導入し、劇的な業務改善と販路拡大に成功した同社の取り組みについて、下平氏にお話を伺いました。
単なる道具ではない。一つひとつの箸に「物語(ストーリー)」を込めて
まずは、御社の事業とブランドの世界観について教えてください。
マツ勘・下平氏(以下、マツ勘)
私たちは箸の企画販売を通じて、現代の食卓の豊かさを提案したいと考えています。
大切にしているのは、一つひとつの商品に「ストーリー」を持たせることです。例えば、弊社の箸には福井県小浜市の風景を色に落とし込んだシリーズがあります。小浜の海は山が近いため、山々の緑が海面に映り込んで独特の緑色に見えるんです。そうした「土地の物語」を色で表現し、単なる道具以上の価値をお届けしています。
ECサイトも、写真が美しく「読み物」としても楽しいですね。
マツ勘 ありがとうございます。社内にカメラマンとデザイナーがいるので、カタログもECサイトもすべて内製でこだわって作っています。 BtoCでは、こうした世界観をしっかり伝えることで、特に30代~60代の女性を中心にご支持をいただいています。最近ではEC事業が、本業である卸事業に次ぐ「第3の柱」として成長しています。
BtoC向けECサイトをきっかけに法人問い合わせが増加。
その裏で膨らむ事務コストの課題が事業成長を妨げていた。
BtoB販売(卸・OEM)のEC化を検討される前、どのような経営課題があったのでしょうか?
マツ勘
元々、百貨店問屋様や大手量販店様などへの卸売が中心でしたが、特定の販路への依存から脱却し、多様な取引先を開拓する必要性を感じていました。
そんな中、BtoC向けのECサイトをご覧になった企業様からのお問い合わせが増え始めたんです。飲食店様からの直接注文や、OEM(オリジナル箸の製造)のご相談など、新たなニーズが生まれ、「法人の窓口」をしっかり強化しようと考えました。
しかし、そこで「アナログ業務のコスト」が壁になったと。
マツ勘
そうなんです。特に一番きついと感じていたのは、事業成長のブレーキになっていたことでした。
BtoBのお問い合わせや受注が増えるのは嬉しいのですが、当時は受注方法がメールやFAXなどバラバラで、発注書や注文書のフォーマットも取引先ごとに異なっていました。また、お取引先様ごとに細かいルールが山ほどあったんです。それは担当しているスタッフでないと分からない状況でした。
手入力や確認作業が増えればミスも起きます。実際、FAXやメールを見ながら手入力していた頃はミスも多かったと思います。
そのため、取引先が増えるほど、例外ルールと手作業が雪だるま式に増えて、現場が詰まっていく。営業としても、「月に1回注文があるかないかのお客様のために、事務負担を増やしてまで取り引きすべきか」「利益は出るのか」と迷いが生まれてしまう。つまり、取引先を増やしたいのに増やしづらい体制になっていたんです。
現場の業務負担も限界に近かったそうですね。
マツ勘
はい。お取引先様ごとに「値札シールはこの種類」「梱包はこれ」といった細かいルールが山ほどあり、それが当時は担当スタッフの「記憶」に頼っている状態でした。
1件の注文処理に30分以上かかることもザラで、その間にお客様への返信が遅れることもありました。さらに大変だったのが月末の「締め作業」です。事務員2名が請求書作成のために、土曜日に休日出勤して対応することもあり、現場は疲弊していました。
BtoCの「ついで」に導入できる手軽さが決め手
数あるシステムの中で、makeshopの「BtoBオプション」を選ばれた理由は何でしょうか?
マツ勘
すでにBtoCサイトをmakeshopで運用しており、その資産をそのまま活かせる点が最大の決め手です。
BtoB専用のシステムを新たに導入することも考えましたが、導入コストも学習コストもかかります。makeshopなら、どちらのコストも低く、システム的に安定していて、管理画面も使い勝手がいい。これは運用していて実感していたので、「BtoCのベースをそのまま活かしてBtoB向けに展開できる」ことが大きかったです。
使い慣れた管理画面のまま、BtoCの商品データやデザインを流用して「オプション追加」するだけで始められます。「これなら一番リスクが少なく、手軽に始められる」と直感しました。
導入時のハードルはありましたか?
マツ勘
実は、ハードルはほとんど感じませんでした。
管理画面がBtoCと同じなので、スタッフへのレクチャーも不要でしたし、システム的な設定もスムーズでした。toCの運用の延長でtoBにも対応できるので、社内の負担が増えない。導入スピードも早かったですし、手軽に自分たちで管理できるのは大きかったですね。
HTMLやCSSなどで少し躓いた時は、サポートセンターに問い合わせれば具体的かつ即座に回答いただけたので、社内にエンジニアがいなくても内製で完結できました。
事務作業が「ほぼゼロ」になり、小口取引もウェルカムに
導入後、業務フローはどのように変わりましたか?
マツ勘
劇的に変わりました。
お客様がWEB上で注文を完了させてくれるので、私たちは受注データを基幹システムに取り込み、送り状を発行するだけ。これまで30分以上かかっていた事務作業は「ほぼゼロ」になり、純粋な発送作業のみになりました。事前決済の仕組みになったことで債権管理が不要になり、請求や入金確認といった管理業務の負担が大きく減りました。
あとは、makeshopのBtoBオプションを入れたタイミングで、在庫管理システム(奉行シリーズ)も導入したんです。それによって本社にある在庫がリアルタイムで分かるようになり、ピッキングでも活用するようになりました。BtoBオプションを入れたことで、「システム化していかなければならない」という意識が高まり、相乗効果があったと感じています。
※同社では在庫管理等のため「奉行シリーズ」「クロスモール」を活用
当初の課題だった「小口取引の採算性」については解消されましたか?
マツ勘
はい、完全に解消されました。
事務コストがほぼかからないので、たとえ少額の注文であっても利益が出る体制になりました。「お箸3アイテムだけ扱いたい」というお客様も、今では喜んでお取り引きできています。
事務員の負担を気にせず、「どんなお客様でもどんどん来てください!」と営業が自信を持って言えるようになったのは大きな変化ですね。
現場のスタッフ様の反応はいかがですか?
マツ勘
「本当に楽になった」と感謝されています。
特に大きかったのは、締め作業のための休日出勤がなくなったことです。残業時間も大幅に減り、精神的な余裕が生まれました。ピッキングリストもシステムから自動出力されるようになったので、「記憶頼み」の作業から解放され、ミスの不安もなくなりました。
もし、このままシステムを導入しなかったことを考えるとどうでしたか?
マツ勘 そうですね、パンクしていたかもしれませんね。今の倍の人数が必要だったと思います。
タブレットやスマホで見せる「ECサイトをカタログ代わりに」する提案が好評
営業面での変化はありましたか?
マツ勘
展示会などの商談スピードが格段に上がりました。これまでは分厚いカタログを持ち歩いていましたが、今はタブレットやスマホでBtoBサイトの画面をお見せしています。去年の6月に大規模な展示会に出たのですが、個人でされているような小さなお店の方は、スピード感を大切にされます。そうした方に、スマホで実際のECサイトを見せて、「これで買えます」と伝えると、心理的なハードルがすごく下がるんです。
営業の提案ツールとしても非常に有効です。最近は提案書すら作らずに、PCで商品ページを見せながら説明しています。写真もこだわって作り込んでいるので、「この写真を使いたい」「ポップとして置きたい」といったお話もその場ですぐにできます。「この画面から、今すぐスマホで発注できますよ」とお伝えすると、小規模な雑貨店様などはその場で会員登録してくださることも多いです。
ECサイトの情報量をカタログで表現しようとすると、厚さが5倍ぐらいになってしまいますから取り扱いが難点。そういった面でも、ECサイトで提案できることはお取引先様にとっての利便性も上がっていると思います。

「お箸の専門店 箸蔵まつかん」内商品ページ(法人向け画面)
お取引先様からの反応はいかがですか?
マツ勘 新規のお取引先様の50%以上が、FAXではなくWEB注文を選択されています。 特に個人オーナー様などは、店舗のバックヤードや移動中にスマホで発注できる利便性を評価してくださっています。写真も綺麗で情報量が多いので、カタログよりも商品の魅力が伝わりやすいようです。
今後の展望について
今後の展望をお聞かせください。
マツ勘
直営店である「GOSHOEN / 護松園」や展示会といったリアルな場と、ECサイトをよりシームレスに繋げていきたいですね。
BtoBに関しても、まだFAXを使われている既存のお客様へWEB注文のメリットをお伝えし、完全なDX化を目指してさらに事務負担を減らしていきたいと考えています。
最後に、BtoBオプションの導入を検討されている方へ一言お願いします。
マツ勘 もしmakeshopでBtoCをやっているなら、BtoBをやらない手はないと思います。 管理画面もやり方も同じで法人のお客様を取り込める。コストも安いですし、やらないメリットはないかなと。サポート体制が厚いので、伴走してもらいながら導入できると思います。「事務員さんの負担を減らしたい」「少額取引でも利益が出る体制を作りたい」と考えているなら、迷わずおすすめします。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
今回のインタビューから見えてきたのは、単なるBtoB対応ではなく、『既存資産を活かした“事業体制のアップデート”』でした。特に印象的だったのは、BtoC向けに磨き上げたECサイトが、新たなBtoB取引拡大のきっかけになったこと。問い合わせ増加というチャンスを、仕組み化によって確実な成長へとつなげました。
属人化の解消
担当者の記憶に頼っていた取引先ごとのルールを仕組み化。
確認作業やミスが大幅に削減されました。
受注事務“ほぼゼロ”へ
1件30分以上かかっていた受注処理が発送中心に。
締め作業の休日出勤もなくなり、現場の負担が軽減。
小口取引も歓迎できる体制に
事務コスト削減により、少額注文でも利益が出る構造を実現。
営業が自信を持って新規開拓できるようになりました。
ECサイトが営業ツールに進化
タブレットやスマホでそのまま提案可能に。
新規取引先の50%以上がWEB注文を選択しています。
新たなシステムを構築するのではなく、BtoC基盤を活かしてBtoBへ展開する。
それが、低コスト・低リスクでDXを進められた理由でした。
「BtoCは整っているが、BtoBはアナログのまま」
その状態に課題を感じている企業様にとって、BtoBオプションは有効な選択肢になるはずです。